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2022.07.12

越境ECとは?始めるメリットや注意点、台湾での越境EC事情を解説

インターネットの普及や新型コロナの影響から、オンラインショッピングの需要はますます増加しています。その中でも注目を集めているのが、海外に向けて販売する越境ECであり、特に台湾での需要が増えています。

しかし、「越境ECがよくわからない」「台湾の越境ECはどうなの?」といった悩みや疑問をお持ちの方も多いでしょう。

今回は、越境ECのメリットと注意点、台湾での越境EC事情についてお伝えします。

目次

越境ECとは?

越境ECは、国境を越えて商品を販売するオンラインショッピングサイトです。

海外の消費者を対象にする点に特徴があり、初期費用を抑えながら世界進出を狙えるメリットがあります。

経済産業省「令和2年度電子商取引に関する市場調査」によると、中国の越境ECサイトの総市場額は4兆2,617億円にまでのぼり、そのうち日本からの購入額は1兆9,499億です。

自由な旅行が難しくなったコロナ禍以降は、訪日外国人が越境ECを利用して日本製品をリピート購入するようになり、初期費用を抑えながら世界進出を狙える越境ECの需要はますます高まっています。

越境ECの種類

越境ECの種類はさまざまですが、主に以下の2つにわけられます。

①自社でECサイトを立ち上げ

自社や個人でECサイトを構築する方法です。

自社ECサイトの延長で越境ECを運営でき、手数料も抑えられるメリットがあります。

多言語に対応したり、相手国の決済方法を導入したりする必要がありますが、近年は越境ECサイトに対応したプラットフォームも多いため、専門知識を持たない企業や個人でも越境ECサイトの構築・運営が可能です。

②相手国のECモールに出店

出店したい国のECモールに出店する方法です。

代表的なECモールには、Amazonや中国の天猫国際、韓国のG-marketなどがあります。

自社でECサイトを構築するよりも手数料がかかり、競合他社がいるのがデメリットです。しかし、すでに現地で知名度のあるECモールに出店すれば、集客が期待できます。

また、上記2つの越境EC以外にも、現地の保税区内の倉庫から商品を配送する倉庫活用型越境ECや、転売・買取型越境EC、販売代行サービスなどがあります。

越境ECの4つのメリット

越境ECは今後ますます成長が期待できる市場です。そこで、越境ECを開始する場合に得られる4つのメリットをご紹介します。

1.海外に商圏を広げられる

2.ビジネス規模を拡大できる

3.海外でも気軽に出店・運営できる

4.日本製品の魅力を海外に広められる

ひとつずつ見ていきましょう。

①海外に商圏を広げられる

越境ECの大きなメリットと言えば、海外に商圏を広げられる点です。

少子高齢化が進む日本では、市場の将来性が不安視されています。また、国内でのユーザー獲得に伸び悩んでいる場合もあるでしょう。

一方で、海外進出すれば当然市場規模は拡大します。

日本製品が販売されていない地域でもインターネットを通じて購入できるため、訪日観光客のリピート購入はもちろん、日本を訪れたことがない場合でも、越境ECやSNSを通じて日本製品に目を向ける新規顧客を世界で獲得できるのです。

②ビジネス規模を拡大できる

商材によりますが、国内よりも海外の方が競争相手は少ない場合があります。

すでにライバルが多い市場で戦うよりも、競争相手が少ない市場に参入したり未開拓市場を開拓したりできれば、ビジネス規模を拡大できる可能性があります。

③海外でも気軽に出店・運営できる

越境ECであれば、低コストで海外に出店・運営が可能です。

海外に実店舗を構えようとすれば、出店までの契約手続きや家賃、人件費など、多くの手間とコストがかかります。十分な市場調査ができていないと、店舗運営も厳しくなるでしょう。

しかし、越境ECは実店舗を展開するほどのコストがかからず、リスクも抑えられながら運営できます。

スピーディーに出店できるのが、越境ECの大きな魅力です。

④日本製品の魅力を海外に広められる

「爆買い」という言葉からもわかるように、日本製品は高い品質力で海外から人気があります。

衛生用品や家電、化粧品などの日本製品は、海外の顧客にニーズが高いです。

日本ブランドの魅力を海外に広めるチャンスが、越境ECにはあるのです。

越境ECの5つのデメリット

越境ECは気軽に海外進出が狙えるメリットがある一方で、5つのデメリットがあります。

1.配送料・手数料が高額になりやすい

2.国・地域によって法律や必要な対応が異なる

3.国際取引には規制が多い

4.トラブル発生時の対応に手間がかかる

5.為替によって売上が影響されやすい

越境ECに参入する前に、デメリットも知っておきましょう。

①配送料・手数料が高額になりやすい

越境ECは、一般的に商品を日本から相手国に発送します。

当然日本国内で発送を完結するよりも配送料がかかるため、消費者が配送料や手数料の高さから購入を断念することも考えられます。

②国・地域によって法律や必要な対応が異なる

越境ECの注意点として考えなければならないのが、相手国や地域の法律です。

販売先によっては届け出が必要な場合があるため、法律について事前にしっかりと調べなければなりません。

③国際取引には規制が多い

国際取引には規制が多く、海外に輸出できない商品もあります。

いざ海外進出を狙っても、相手国で販売できなければ意味がありません。まずは自社商品を輸出できるのかを確認し、関税などの手続き方法などもリサーチしておきましょう。

④トラブル発生時の対応に手間がかかる

海外発送の場合、配送に時間がかかることから荷物の紛失や破損リスクが高まります。

また、カードの不正利用といったトラブルも起きやすいでしょう。

その上、問題発生時にすぐに対応ができなかったり、問題確認に時間がかかったりします。

言語に対応したサポートセンターを置くといった、トラブルが起きたときの対応方法を考える必要があります。

⑤為替によって売上が影響されやすい

越境ECでは、為替相場によって売上が影響されやすい点に注意しましょう。

越境ECは各国の通貨で取引されます。たとえば、ドル取引の場合、円安は円に換金すれば受け取る額は上がりますが、円高では額が減ってしまうのです。

台湾で越境ECを始める場合のポイント

経済産業省「平成 29 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、台湾の越境ECの市場規模は2017年に1,300億と推計されています。

越境ECの成長が見られる台湾において、どのようなポイントを抑えて台湾進出をすれば良いのでしょうか。

重要な4つのポイントをお伝えしますので、ご覧ください。

1.台湾の越境EC市場の特徴

2.台湾でよく利用されているECサイト

3.台湾で注目されている「KOL」

4.台湾に進出する際のポイント

ひとつずつ確認していきます。

台湾の越境EC市場の特徴

まず台湾の越境EC市場の特徴を把握しましょう。

台湾と言えば、親日度の高さで知られています。

観光庁の「令和2年版観光白書について」によると、コロナ前の2019年の訪日外国人旅行者数において台湾は第3位消費額においては中国に次いで第2位となっており、日本製品への購買意欲の高さがうかがえます。

また、マーケティングにおいて台湾は日本同様、少子高齢社会、共働き夫婦の増加、未婚率の高さや晩婚化が進んでおり、日本と似たような環境であるため日本での手法が転用しやすいです。

さらに、台湾では駅や施設などでフリーWi-Fiが利用できるなど、越境ECには欠かせないインターネット環境が整備されています。

物流においては、台湾の面積は九州と同じくらいであるため、短時間で届くのも特徴のひとつです。

コンビニの数も多く、台湾は世界2位の密度で日本を上回っています。共働き世帯も多いことから、ECサイトで購入した商品をコンビニで受け取るケースが多いのです。

台湾でよく利用されているECサイト

台湾でよく利用されている代表的なECサイトは、以下の3つです。

①PChome

台湾では老舗のECサイトです。

自社倉庫を持っているため、専用ページ「PChome24h購物」から購入すると、24時間以内に配送されます。

②Yahoo!奇摩

Yahoo!JAPANの台湾版で、ヤフオク!のようなサイト「Yahoo拍賣」などがあります。

③momo購物網

富邦グループが運営するECサイトです。

生活用品や家電はもちろん、コスメブランドが充実しており、主に女性をターゲットにしています。

台湾で注目されている「KOL」

KOLは「Key Opinion Consumer(キーオピニオンコンシューマー)」の略で、特定分野において専門知識を持ったインフルエンサーを指します。

通常のインフルエンサーとの違いは、特定分野における「専門性の有無」であり、たとえば美容分野であれば元美容部員や化粧品メーカー社員などは美容系KOLにあたります。

台湾では、消費者に影響力のあるKOLを起用したマーケティングが盛んです。

商品の認知や宣伝、消費者からの信頼などが得られるため、マーケティング手法として注目するのもひとつの方法です。

台湾に進出する際のポイント

台湾に進出する際は、決済方法、配送方法、税金、アフターフォロー、商習慣などを押さえておかなければなりません。

たとえば、台湾の決済方法は代引きや後払い決済が多く利用されています。

消費者の利便性を考えると、クレジットカード以外の決済方法の取り入れは必須です。

また、台湾は返品の割合が高いため、返品対応などのアフターフォローについても考えておく必要があります。

越境ECの始め方

次に、越境ECの始め方をご紹介します。

①事前準備

まず販売したい商品と販売する国を決めます。

販売したい商品が相手国のニーズと合っているのか、市場調査を行いましょう。また、関税や商品が販売可能なのか、法律についても確認が必要です。

②出店方法を決める

「自社ECサイト構築」「ターゲット国のECモールに出店」など、出店方法を決めましょう。

日本国内の越境EC対応サービスを利用すると、初めてでも安心して越境ECをスタートできます。

③決済方法や配送方法を決める

クレジットカード以外にも、現地でよく利用される決済方法を調べて取り入れましょう。

また、配送方法は直接発送したり、提携事業者を挟んで発送したりするといった方法があります。

直接発送は簡単に始められますが、手続きに手間がかかるデメリットがあります。

一方、提携事業者は配送期間が長くなりますが、面倒な手続きが必要ありませんのでそれぞれ一長一短と言えます。

④集客施策

商品の魅力アピールやマーケティング施策を、相手国の文化に合わせて行いましょう。

商品のアピールポイントは国ごとに異なり、よく利用されるSNSやメディアも違うはずです。

出店したら完了ではなく、わかりやすく効果的な集客施策を考える必要があります。

まとめ

越境ECは手軽に海外進出でき、日本国内以外にも顧客を獲得できる魅力的な市場です。しかし、言語の壁や配送などのハードルが高く、導入に悩んでいる方も多いでしょう。

そんなときは、プロの力を借りるのもひとつの方法です。

エスビージャパンでは、台湾、アジアでの海外進出をサポートしています。

台湾で越境ECを検討している方は、エスビージャパンで相談をして海外進出を始めてみてはいかがでしょうか。

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